カジノ合法化の動きがタイで進展しており、観光業の成長が期待されています。
タイ政府が関連制度の概要案を承認することと、統合型リゾート(IR)の開発による観光振興が焦点となっています。
タイのカジノを訪れようと考えている人の中には、
・なぜタイではカジノをプレイできないのか
・カジノを解禁しようとする理由
・カジノ解禁することにはメリットしかないのか
と疑問を持つ方もいることでしょう。
そこで本記事では、
・タイのカジノ合法化に関する詳細
・タイにおけるカジノプレイが違法の理由
・タイのカジノ解禁におけるデメリット
について解説します。
タイのカジノ事情だけではなく、近隣国のカジノプレイ可能な国についても紹介しています。興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
タイでのカジノプレイは違法
タイではカジノプレイは合法ではありません。
ギャンブルに関する法律が厳しく、カジノの開設や運営は禁止されています。また、カジノへの参加や賭けも違法です。タイでは、カジノを利用することにより罰金や懲役に処される可能性があります。
タイのカジノが合法化できていない理由は次の3つです。
①社会的問題を引き起こすと考えられている
②仏教の教えに反する
③国家の主権や安全保障に影響する
ここでは、それぞれの理由について解説します。
①社会的問題を引き起こすと考えられている
タイではカジノによって社会的問題を引き起こすと考えられています。
なぜなら、カジノに通い続けることでギャンブル依存症や犯罪が増加し、経済的な困難からくる家庭崩壊や社会的な不安定が増加するため、家族や社会の秩序が乱れるとされているからです。
いずれも長期化もしくは社会的問題になると想定されるため、無視できません。
②仏教の教えに反する
タイでは国教が仏教であり、多くの人々が仏教徒です。
仏教では、欲望や執着を捨てることが重要だと考えられてる一方、カジノは依存する恐れがあり、欲望や執着を増幅させることが想像できます。
カジノは仏教の価値観に反するため、反対意見が上がることが多いです。
③国家の主権や安全保障に影響する
タイではカジノを運営することで、国家の主権や安全保障に影響すると考えられています。
なぜなら、外国からの資金流入が増加し、国内の経済や政治において外部勢力の影響が強まる可能性があるからです。
カジノを設立することで、外国人や外国企業によって支配される可能性があり、タイの国益や国家統制に悪影響を及ぼすと考えられています。
タイでカジノ解禁?政府による推進
タイではカジノが合法化できていないとされていますが、政府は次の2点の背景により、カジノ解禁の検討を始めました。
・タイは観光客が多いため、観光収入が望める
・近隣国では合法的にカジノが営業されており、タイからも足を運ぶ客層が多い
さらに、カジノを規制することで、地下カジノやオンラインカジノなどの違法賭博や犯罪活動の防止や取り締まりにもつながると予想されますが、実現の可能性や影響についてはまだ不透明な部分が多いです。
ここでは、カジノ解禁の検討を始めた理由について詳しく解説します。
観光収入が望める
タイでカジノが解禁されると、観光収入の増加が見込めます。
特に、パタヤやプーケットなどの観光地にカジノを設置することで、外国人旅行者の誘致につながったり、滞在時間を延長するなど、観光収入につながるとしています。
タイは東南アジアで最も観光客の多い国であり、2019年には約4000万人の外国人観光客が訪れました。しかし、2020年の新型コロナウィルスの感染拡大によりタイへの入国者が大幅に減り、観光収入は非常に大きく下がりました。政府は2021年から段階的に入国制限を緩和し、ワクチン接種証明書や検査陰性証明書を持つ旅行者には隔離期間を短縮するなどの措置を取りましたが、まだまだ観光客の数は大幅に減少したままです。
カジノを導入することにより、ギャンブル好きな中国や日本などの観光客を呼び込むことができると考えられます。
また、カジノは高い税率で課税されるため、政府の歳入も増えるでしょう。
さらに、カジノを含む統合型リゾート(IR)を建設することで、ホテルやレストラン、ショッピングモールなどの関連施設も利用されるため、関連施設からの税収も増やすことで、地域経済の活性化にもつながると期待されます。
上記のように、観光収入の増加によって税収や雇用創出などの経済効果が期待できると考えているため、タイ政府はカジノの合法化に踏み切ろうとしています。
近隣国では合法的にカジノが営業されている
近隣国のマレーシアやシンガポール、マカオなどではカジノ運営が合法化されており、タイからも多くの賭博客が足を運んでいます。
結果、残念ながらタイの市場売上が他国に流れているのです。
タイでは現在、賭博は違法であり、違反者には罰金や懲役刑が科されます。しかし、実際には地下カジノやオンラインカジノなどが盛んであり、賭博産業は年間約2000億バーツ(約7000億円)の市場規模と推定されています。
カジノを合法化すると、他国に流出する金銭や地下カジノやオンラインカジノ市場においても課税が可能です。また、合法的なカジノ導入は、賭博市場を規制しつつタイ国内における収益を増やせます。
税収が増えることで、タイ政府の財政健全性の向上が見込まれます。
カジノ解禁のデメリット
タイでは近年、カジノ合法化に向けた動きが活発化していますが、カジノ解禁は賛否両論です。
タイでのカジノ解禁によって観光への影響がありますが、ポジティブなものだけではなく、リスクやコストといった面も考慮が必要です。
ここでは、タイでのカジノ解禁によるデメリットについて解説します。
犯罪やギャンブル依存症など社会問題の増加
不正賃金の洗浄や組織犯罪の温床になりやすいため、治安の悪化や腐敗の拡大につながる恐れがあります。また、カジノは不正資金の洗浄や組織犯罪の温床となりやすく、治安の悪化や腐敗の拡大につながる恐れがあるため注意が必要です。
生産性の低下や医療費の増加といったコストが発生する恐れがある
カジノによってギャンブル依存症者が増えることで、家庭崩壊や借金問題などの個人的な苦しみだけでなく、生産性の低下や医療費の増加などの社会的なコストも発生することが懸念されます。さらに、カジノ解禁には仏教徒が多いタイ国民の倫理観や文化とも相容れない面があり、宗教的な反発や抗議運動も起こり得ます。
タイから近いカジノは?
タイ国内では法律により、カジノは禁止されています。
タイを訪れている際には合法的にカジノを楽しめませんが、近隣の国々では合法化されている場所も存在するため、地域によってカジノを楽しめます。
ここでは、タイ近隣でカジノが楽しめる4つの国を紹介します。いずれの国も、カジノだけでなく、ショッピング、ダイニング、ショーなどが組み合わさった統合型リゾートが一般的です。
カジノを利用する際には、それぞれの国のギャンブル法や規制に従うことが重要です。
また、旅行前に現地の法律や規定を確認しておくこともおすすめします。
フィリピン
フィリピンは、タイ近隣でカジノを楽しむ絶好の国の一つです。
タイから飛行機でたったの4時間で到達できるアクセスの良さや、英語が公用語となっていることから、コミュニケーションをスムーズに行える点がフィリピンを訪れる際のおすすめポイントです。
「オカダマニラ」「ソレアリゾート&カジノ」「シティ・オブ・ドリームス・マニラ」「リゾート・ワールド・マニラ」はフィリピン内で特に有名で、さまざまなカジノゲームを提供しています。4つのカジノは1か所に集中しているため、移動が非常に容易です。
フィリピンへの渡航はビザが不要で、入国手続きも簡単な上に、物価も比較的安く、治安も良好なため、安心して滞在できます。カジノ愛好者にとって、フィリピンは訪れる価値があるでしょう。
韓国
韓国はタイから約5時間半の飛行機でアクセス可能な位置にあり、カジノが盛んな国として広く知られています。
ギャンブル依存症や犯罪の予防を目的とし、韓国国民に対しては入場制限が設けられています。韓国国民はカジノに入場できませんが、外国人専用のカジノが18軒存在し、外国人は税金を支払うことなくカジノプレイを楽しめます。
韓国は単にカジノが豊富なだけではなく、多様で魅力的な文化や美食が広がっています。四季折々の美しい風景、歴史的な名所、現代的なエンターテインメント施設など、観光スポットが多彩です。さらにK-POPなどの現代文化が観光客にとって非常に魅力的です。
外国人にとって、韓国は単なるカジノの楽しみだけではなく、観光や文化体験も充実しており、足を運びたくなる魅力的な環境が整っています。
マカオ
マカオは、ラスベガスやシンガポールと同様に、世界でも屈指のカジノ都市として知られています。
マカオ政府は積極的にカジノ産業を支援し、税制や規制などを優遇しています。中国本土ではギャンブルは違法とされているため、カジノは存在しませんが、マカオは特別行政区として独自の自治権を有しているため、カジノが合法化されています。また、独自のギャンブルに関する法律が整備されています。
さらに、マカオは国土面積が約30平方キロメートルと非常に小さく、自然資源や工業の発展が制約されているため、観光業が主要な産業です。特にカジノは観光業の中で最大の収入源となっており、中国本土や香港から多くの観光客がマカオを訪れることで市場は拡大を続けています。
法的にも経済的にもカジノに適した環境が整っているマカオは、インドネシア周辺でカジノを楽しみたい方にとって魅力的です。ぜひ一度足を運んでみてください。
シンガポール
シンガポールは、タイ周辺でカジノが可能な国の一つです。治安が良く、安全であり、また多民族国家で英語が広く通じるため、日本人にとって気軽に旅行しやすい国とされています。さらに、アジア中心の都市部で経済成長が著しいだけでなく、観光地も豊富にあります。
シンガポールは厳格な法律の規制があり、刑事罰が厳格であることや、コンパクトな国土であるため警察の目が届きやすいこと、スラムが少ないなどの理由から犯罪発生率が非常に低いです。夜間も安心して外出できるため、夜のカジノも楽しめます。
国をあげてカジノプレイがおすすめされ、観光客が多く集まり、明るくにぎやかな雰囲気が広がっています。高級感あふれるVIPルームも設けられており、中華系観光客が多いため中国語がよく使われています。シンガポールは安全性とエンターテインメント性が融合したカジノ体験ができる国です。ぜひ一度足を運んでみてください。
まとめ
現在、タイではカジノを解禁し、合法化しようと政府が推進しています。
推進の背景には次のものがありました。
・カジノ解禁によって観光収入が増える見込みがある
・近隣国ではカジノ運営が合法化されている
しかし、タイでカジノプレイを解禁するためには、合法化出来ない3つの課題をクリアする必要があります。
・社会的問題を引き起こすとされている
・仏教の教えに反する
・国家の主権や安全保障に影響する
近隣国ではカジノをプレイ可能です。フィリピンや韓国・マカオ・シンガポールといった国では気軽にカジノを楽しめるため、タイのカジノがプレイ可能になる日を夢見つつ、近隣国のカジノプレイを行いましょう。